太平洋側の地域に関しては、冬になっても雪が降ることはほとんどありません。
しかし、日本海側には、冬になると何メートルもの積雪が当たり前という土地が沢山あります。
そういった地域では、秋のうちから雪がちらつき始め、晩秋~初冬には一面の銀世界となります。
本格的な冬を迎えると、2~3メートル――人の背丈を優に超えるほどの積雪が当たり前になります。
当然、それでは通行できませんので、人々は毎日のように雪かきを行い、通路を確保します。
冬真っ盛りになると、毎日除雪されている道路と、雪が積もるままになっている空き地の間には何メートルもの高低差ができてしまいます。
要するに、道路の両脇に2メートルくらいの白い雪の壁が出来るような状態ですね。
関東南部のように、年に2~3回雪が降れば多いほうという地域に住んでいる人間からすると想像もつかない世界です。
道路の除雪にはかなりの人手が必要ですから、当然、地域に住んでいる人たちは総出で対応することになります。
雪国の除雪作業:世界有数の豪雪地帯十日町市での除雪の方法一覧
引用元:https://snownotes.org/removing-snow/
ここで生まれ育った上村さんのHPにて紹介されています。
そして、その想像を絶する大雪は民家の屋根の上にも積もっていくことになります。雪というのは結局、水分が凍結したものですから、本質は水です。水がどれほどの重さかは、きっと皆さんご存知でしょう。
とても覚えやすい、リッターあたり1キロ。これが水の重さですね。
さて、もしも屋根の上に3メートルもの雪が積もったとしたら、いったい水分に換算してどれくらいあるでしょう?
すなわち、建物にかかる重さはどれくらいになるでしょうか? 放っておいたら、建物に相当のダメージをもたらすことは想像に難くありません。
そういうわけなので、豪雪地帯では屋根の雪下ろしという作業が必須になります。ハシゴで屋根に登り、上に積もった雪を落としていくわけです。
危険も伴いますし、決して楽な作業ではありません。それでも、家に負担をかけないためには必要なのです。
近所に自分で雪下ろしをするのが難しいお年寄りがいれば、その家の雪下ろしだって手伝わなくてはなりません。
その代わり、動けるうちにしっかり協力していれば、いざ自分が老年期を迎えた時には近所の誰かが助けてくれます。
こういった自然の脅威さえも、人間関係構築のツールとして活用してしまうのが田舎なんですね。
そういった部分を少しでもプラスに捉えることができれば、そんなに辛く感じることはないのかもしれません。
最終的には、きちんと準備・対処をするかどうか、そして他者と協力して問題と向き合えるか、という二点にかかってくると思います。
豪雪地帯、日本海側の山間部に移住を考えている方は、雪の脅威についてしっかりと認識しておきましょう。
その上で田舎暮らしをしていくうえではこういった問題さえも、近隣との良き関係を築くための一助としてください。
そういった前向きな姿勢・溶け込もうという心意気があれば、田舎暮らしの先行きは安泰だと思います。