田舎、特に高原の星空を見たことがない人は「そんな、メリットって言うほどのことじゃ……」と考えているのではないでしょうか。
でも、きっと一度でも見たことのある人たちは納得して頷いていると思います。
一度見るだけで、星空に対する価値観が逆転してしまうくらいに、田舎の夜は美しいのです。
都会に住んでいる人でも、オリオン座くらいは見上げたことがあるでしょう。
鼓みたいな形をしていて、星座の素人でもすぐに見つけることができる、あの有名な星座です。
リゲル、ベテルギウスという一等星の名前を知っている人も多いのではないでしょうか。
ところで、恒星の等級についての知識がある方はどれくらいいるでしょう?
念のために確認しておきますね。等級というのは、一等星、二等星、三等星……というもので、一等星が最も明るく、数字が増えるごとに明るさが6分の1になっていく単位です。
本来なら、人の肉眼で確認できるのは六等星まで、とされています。
ちなみに、シリウス・ベガ・アルタイルなど有名で明るい星はみんな一等星です。
さて、オリオンの真ん中あたりに仲良く並んだ三つの星があることは良く知られていますが、あの三つ星の等級を知っていますか?
都会で星空を見上げる際には、かなり暗く、あの三つ星より暗い星になるとほとんど肉眼で見つけるのは難しいという程度の明るさです。
となると五等星、あるいは六等星あたりでしょうか?
……実は、二等星なんですね。
都会では空気の汚れによって星の光が遮られがちですし、ネオンサインや住居の明かりが弱い光をかき消してしまいます。
そのため市街地で星空を見上げても、ほとんど一等星と二等星しか見ることは出来ません。
六等星までが肉眼で見られるのは、空気が澄んでいて、余計な明かりの少ない田舎での話です。
そうなんです。
田舎では、六等星までの星をすべて見ることができるんです。
一等星はごく限られた数しかない特別明るい星ですから、低等級の星のほうが数は多いです。
そうすると、田舎の空には、都会で見る空と比べて十倍以上もの星が煌めいているということになりますね。
実際、大小様々な星で埋め尽くされた空は、天然のプラネタリウムのようです。
この星空を眺めていると、今まで都会にいた自分がどれだけ損をしていたのか気づいてしまいます。
あの田舎暮らしでの眺めには、都会派の人を田舎派に鞍替えさせてしまうほどの魔力が宿っている、
そう表現しても大げさではないでしょう。
人の価値観を変えてしまう奇跡の夜空を、あなたも田舎暮らしをして見てみませんか?