世界の別荘から
芸術を生むスペインの別荘地「アンダルシア」
寒冷な気候の国が多いヨーロッパ諸国にあって比較的気候に恵まれており、世界的に有名な史跡や健勝地が数あることからヨーロッパ各国から観光客が頻繁に訪れる国がスペインです。そして別荘地として適した地域も数多く、昔から王侯貴族の別荘がいくつも建てられています。
第二次大戦以降は一時内戦と独裁政権下で混乱したこともあってスペインを訪れる外国人は減少しましたが、現在ではかつてヨーロッパでは最高の別荘地と称された時期の隆盛を取り戻しています。政府としても経済的に逼迫している今日の状況下で観光客の誘致や別荘を購入する富裕層の取り込みに向けて世界中に大きくアピールをしています。
今回はスペインがたどった激動の歴史と同国最高の別荘地・アンダルシア地方について語りましょう。
連邦国家スペインの歴史ある地域
激動の歴史を歩んで来たスペインは国内に17の自治州があり、各州が独自の地域コミュニティを形成しており、11の民族に8つの言語が混在する多民族国家です。特にバスク系やカタルーニャ系など自己主張の強い民族もあることで、スペイン国王を元首とするものの各自治州が互いに牽制しあう一種の他民族連邦制国家に近い政治体制の国と呼んでよいかもしれません。
私たち現代の日本人が思い描く現在のスペインは他のEU諸国とは異なる独特の魅力を持つヨーロッパ南部の国であり、かつてはオランダやポルトガルと並んで日本に西洋文明を伝えた代表国として深い親しみがわく国でもあります。
ヨーロッパ各国の富裕層から「スペインで最高の別荘地のひとつ」として評価されている地域が日本でもよく話題に挙がるアンダルシアです。「アンダルシア:Andalucia」は歴史ある地域名称で現在は「スペイン王国・アンダルシア州」としてスペイン南部地域の重要な地位を占めています。
温暖な地中海性気候で年間降雨量も少ないことと歴史的建造物や遺構、そして自然の景観に優れていることから、毎年多くの観光客でにぎわうスペインでも有数の有名なエリアがアンダルシアなのです。紀元前1000年にこの地域を流れるグアダルキビール川の河口付近にタルテッソス文明が栄えたといわれています。