田舎は、良くも悪くも人間関係が濃密です。
近所の人たちとの人間関係はきちんと構築して当たり前、と考えられているのですから当然ですね。
しかし、他人同士がコミュニケーションを取り、関係を構築していくというのは簡単なことではないはずです。
隣に住んでいる相手を気が合うなんていう保証はどこにもないのですから当然です。
でも、田舎では気の合う合わないに関わらず、近所同士は一定の人間関係を構築するのが是とされています。
そうなると、必要になってくるのは一定のルールのようなものだと思います。
法律ではないのですから、きちんと明文化されているわけではないでしょうが、
田舎には地域ごとにルールが存在します。
こういった時には出来るだけ皆で協力する・こういった場合は誰それに報告する、
といった具合の昔から慣習とされてきたルールであることが多いです。
よそから引っ越してきた人が誰であっても、
田舎の地域社会では当然のようにこのルールを守ることが求められる、
と考えておいたほうが良いでしょう。
もちろん、最初のうちは知らないに決まっていますから、
何かの折に周囲の人たちが教えてくれると思います。
その時は「なんでいちいち干渉するんだ」などと思わずに、
郷に入っては郷に従う精神で対処しましょう。
こういった地域の方針を守れない人は、田舎では都会以上に嫌われます。
そして、田舎の人間関係は狭いですから、
一度複数の人から嫌われてしまうと、
どんどんコミュニティ全体に溶け込みにくくなっていってしまうのです。
この濃厚な地域社会・距離の狭い人間関係が、時に田舎が都会人から敬遠される理由にもなっているのでしょう。
ただ、逆の立場から考えてみれば、これはそれほどおかしな話ではないことにも気づくと思います。
例えば、もし近所に引っ越してきたアメリカ人が拳銃を持っていたらどうしますか?
その人が「アメリカでは銃の所持は合法だ」と主張してきたら、それを認めるでしょうか?
日本に来るなら日本の法律を守ってくれ、となるはずです。
極端なようですが、田舎のルールだって似たようなものです。
ずっと守られていた不文律を、突然外部から来た人に乱されては困るはずですよね?
変に反発せず、地域のルールを尊重する態度で周囲の話に耳を傾けていれば、きっと良い関係が築けることと思います。
確かに、人の顔色を窺いながら生活するのは疲れるでしょうが、
一度良好な人間関係を築き上げてしまえば、だんだんと自然に振る舞えるようになっていくはず。
最初のうちは「自分は新入りなんだ」という謙虚さを持って、すべてを受け入れる気持ちで臨みたいですね。