海水浴それ自体はもちろん海で泳ぐことを指すわけですが、その楽しみ方をもう少し広げてみましょう。
実際、海へ行って本気でクロールやバタフライを始める人はいないと思いますから、多くの方が海水浴という言葉にかなり広い意味を持たせていることかと思います。
例えば、ただ海水に浸かっているだけでも、あるいは砂浜で寝転んでいるだけでも「海水浴に行った」と表現しますね。
その海水浴という語が示す範疇を、さらにもう少し広げてみましょう。
そうすれば、これまでは海のレジャーが好きではなかったという人も、自分なりの楽しみ方が見つけられるかもしれません。
例えば、生物学に興味のある方は、落ちている貝殻やふと見かけた魚の種類を覚えながら、海辺を散歩しても良いでしょう。
携帯電話・スマートフォンが普及した現代なら、屋外で見かけた生き物をその場で調べることが簡単にできますから。
知識欲を満たしながら潮風の吹く堤防を歩く。これだって立派な海水浴だと思います。
もしくは、堤防に腰掛けて海が舞台の小説を読む、という過ごし方はどうでしょう?
せっかくなので、ほんのついでに釣り糸を垂らしておいても良いかもしれません。
はじめから真剣に釣る気もないのですから、釣れなくて元々です。
ほんの片手間で良いと思えば、なんとなく新しいことをやってみようという気にもなるものですよね。
海辺で読むならアーネスト=ヘミングウェイの『老人と海』や『海流のなかの島々』など、海にまつわる古典はいかがでしょう?
室内で読むとのはまた違った趣きを感じられるのではないでしょうか。
ひとくちに海水浴と表現しても、楽しみ方は人の数だけあると思います。
今まで「自分は山派だ」と豪語していた方も、これを機会に海に進出してみては?