たまに海に行くと、沖合から吹き付ける潮風に心地よい気分を味わえます。
潮の香りを運んできてくれるばかりでなく、海水で冷やされた空気を送り込んでくれることから涼しくなったりもして「田舎暮らしでも特に海沿いに住んだら素敵だろうな」などと想像してしまいます。
しかし、その地域に定住してみると、潮風というものがもたらすのは良いことばかりではないと気づかされます。
海へ行った帰りに、髪の毛や身体がべとべとしていたことはありませんか?
あれは海から吹いてきた潮風によるものです。ですから、海沿いに住んでいれば365日関わってくる問題になります。
しかも、潮風は身体がべたつくだけではなく、塩分を含んでいるために、ものすごい速度で金属を酸化させ、錆びだらけにしてしまいます。
洗濯物だって、干す場所を考えないとべたべたになるでしょう。風の強い日は、窓を開けておくと室内まで海岸の砂が吹き込んでしまうので、風向きをよく考えなければなりません。
観光で来るだけならば「海らしくて良い」という印象の強い潮風も、そこに定住するとなれば悩みの種になり得るわけです。
だからといって、地元の人が海が嫌いかといえば、そんなことは決してありません。地元民は、観光客以上に海を愛しています。
海辺に住めば、海辺の欠点に悩まされることも多くなりますが、その欠点を補って余りあるほどに海の魅力を知ることも出来るんですね。
ただ、事前に欠点を知ろうとせずに勢いだけで移住してしまうと、イメージとの違いに面食らうこともあります。
移住してみたい土地や田舎暮らし物件を見つけたら、まずはそこに住むことで起こりうる良いこと・悪いことの両面を比較検討し、問題点に対処する方法まで考えておきましょう。どんなことにしても、成功するためには事前の準備が大切です。