にっぽん別荘めぐり
霊峰と神秘的環境の別荘地「富士五湖周辺」
日本文化と日本の芸術・文化に大きな影響を与えた日本一の山といえば誰が何と言おうと「富士山」です。そのむかしには「不二(二つとあらず)」と書かれ、「霊峰」と呼ばれたことからもわかるように、富士山は芸術的な側面のみではなく、その存在そのものが我々日本人の精神形成に今なお多大な影響を与えています。
富士山の威風堂々としたそのたたずまいは「最も山らしい山」として古くから敬愛されてきました。また、季節によって、あるいは見る場所によってその姿を変え、大自然に対する畏敬の念を人間に問いかける存在として、日本と日本人の象徴的存在となっている富士山の麓に位置する富士五湖周辺の環境について、別荘地という観点から紹介してみましょう。
世界遺産に輝く霊峰と五つの湖
富士山の名声は世界上に鳴り響いており、2011年には富士山はその周辺にある富士五湖とともにユネスコの「世界文化遺産」にも登録されました。富士五湖はかつて活火山であった富士山の噴火によって地表に流れ出た溶岩が周辺の河川をせき止めて形成されたといわれています。富士山によって作られた五つの湖は「河口湖・西湖・精進湖・本栖湖・山中湖」と命名された5つの湖を指します。これらの湖はまるで日本最高峰の山の勇姿を映し出す鏡のような役目を果たしており、富士山の美しい景観をいっそう引き立たせています。
富士山を背景とする富士五湖周辺の景観は、まさに3次元空間に描かれた自然の芸術と表現するにふさわしい荘厳なパノラマ作品といっても決して大げさではなく、江戸期の浮世絵に代表される美術作品の恰好の題材となっており、それらの芸術作品は全世界に広く知れ渡っています。以下に五つの湖周辺のそれぞれの特徴を述べてみましょう。