不動産投機目的の別荘事業
そこで、アメリカ庶民が利用できる別荘ビジネスとして注目を浴びているのが「バケーション・レンタル」というシステムなのです。日本ではほとんどなじみがなく聞きなれない言葉ですが、欧米社会では昔からあるビジネス習慣として知られ、ヨーロッパでは「ホリデー・ホーム」とも呼ばれています。これは日本における投機目的のマンションと同じく、資産家が別荘を転売して利益を得ることを目的とした不動産の資産運用なのです。
土地面積が広大なアメリカではリゾート地の土地価格の上昇を見込んで土地を購入し、そこにレンタル用の別荘を建てる資産家が多くいます。資産価値は急上昇することはないものの将来的には上昇確実な土地は多くありますが、転売までには年数がかかるため、その間を別荘のレンタルで稼ぐという構図です。
あくまでも将来の転売が目的なので、バケーション・レンタルでは日本では信じられない程の低価格で豪華な別荘が貸し出されており、大金を投じて別荘を購入するよりも、安価なバケーション・レンタルを利用する庶民がはるかに多いのです。まさに資本主義大国・アメリカならではの不動産ビジネスの極致といってよいでしょう。