雄大な箱根山のカルデラ地帯
一方、「箱根の山は天下の険」という歌で知られ、毎年お正月の大学対抗駅伝の舞台として全国にその地名が知れ渡っているのが「箱根」です。神奈川県の南西部に位置し、伊豆半島の付け根部分にある箱根山のカルデラ層にあたる一帯で江戸時代より東海道の重要な宿場町として栄えてきた歴史を有しています。
伊豆地方が半島であるという地形的な特性において「伊豆半島文化」とでもいうべき独自の文化圏を形成しているのに対し、箱根周辺は南関東に古くから伝わる文化・習俗を色濃く残しています。したがって、両者は地理的には近くともその地に住む人々にとってはまったく異なる文化圏だったのです。
関東近辺では最高の別荘地
昔から上洛・上京する際の大変重要な場所であった箱根峠は交通の要所・難所としても有名で、この地で繰り広げられる悲喜こもごもの人間模様は時代小説や演劇・映画などさまざまな作品の題材や舞台ともなりました。
現在では関東エリアから1~2泊程度の安近短でコンパクトな旅行には最適の場所としてあまりにも有名です。付近には温泉をはじめとするレジャー施設もあるので東京から日帰りで行ける範囲の場所に別荘をもちたいという方々にはまさに絶好の環境といってよいでしょう。
近年の傾向としては、定年退職をむかえた団塊の世代層が別荘地として箱根を好む傾向にあり、このエリアの分譲別荘やリゾートマンションなどには人気が集まってきています。そのなかでも特に人気のエリアは芦の湖畔や仙石原、強羅などでいずれも交通の便が良く、景観にも恵まれており、個別に温泉が引ける点などに魅力を感じる人が多いようです。ちなみに、このエリアの温泉は古くから「箱根七湯」の呼称で知られ、薬効成分が多く含まれる水質でもあるために関東一の温泉地として湯治客がひっきりなしに訪れることでも有名でした。
なかでも、仙石原エリアは周辺環境が抜群に充実していることから高齢の夫婦が終の棲家として転居してくるということも少なくありません。いずれにせよ、伊豆・箱根周辺は関東の方々にとって別荘や第二の人生の永住先として理想の候補地であることはたしかなようです。