キリスト文明とイスラム文明

紀元5世紀頃には地名の由来となったゲルマン系のヴァンダル人が侵入し、その後西ゴート王国の領域となった時代を経て、711年にはイベリア半島を征服したウマイヤ朝の支配下に入り、スペイン全土はイスラム圏となります。

13世紀まで続いたイスラム支配が終焉するとようやくスペイン全土がカトリック教圏の王国となったことで、ヨーロッパの国でありながらその地域的条件によってアラブ世界の影響を最も強く受けた国・スペインの中でも南部のアンダルシア州は特にイスラム文化を色濃く残すエリアともなっています。まさに「ヨーロッパの中にあるアラブ」を感じることができる地域でもあり、これがヨーロッパ諸国の人々をアンダルシアへと駆り立てる要因ともなっているようです。

人々を魅了する景色と史跡群

地中海から吹く温かい風を受けながらアンダルシア州にあるいくつもの名所・名跡を歩くと歴史の針が逆転してしまったかのような錯覚に陥るほど、神秘的な建物と風景に魅せられてしまいます。

特に地中海を望む南東部の沿岸部は絶景のスポットとして知られており、ヨーロッパの富裕層にとっては恰好のリゾートエリアともなっています。高級別荘地として名高いのが「マルベージャ」で、海岸には豪華なクルーザーがいくつも停泊しています。まさにヨーロッパ中の貴族やセレブが集まる街といってもよいくらいで、彼らが利用する高級ブランドショップや一流レストランなどが軒を並べています。もちろん、どの店も超高級志向のセレブ御用達なので一般庶民にはとても手が届かない価格設定となっているようです。

最近ではブランドショップ巡りをする日本からの観光客の姿も見られるようになってきています。日本人にとってはお馴染みのグラナダ地方にある「アルハンブラ宮殿」やコルトバ地方の「メスキータ」「メディナ・アサーラ」、セビリア地方の「黄金の塔」「ヒラルダの塔」その他、ユネスコから世界遺産の登録を受けた名所が数多く散財する州がアンダルシアなのです。

芸術家たちのゆかりの地

前のページ

次のページ

コメントは受け付けていません。